(S1.8-S0029)Nd-Fe-B 系磁石粉末のd-HDDR 過程におけるNd2Fe14B とFe との結晶方位関係

摘要

Nd-Fe-B 系磁石合金に対し、高温下での水素との反応により不均化（HD）させたのち、減圧雰囲気下で脱水素して再結合（DR）させるHDDR（hydrogen disproportionation desorptionrecombination）処理を施す際、水素圧力に応じて処理後の粉末の磁気異方性が変化し（d-HDDR）、30 kPa において高い異方性を示す磁石粉末が得られる1,2)。この時の異方化メカニズムは未解明であるが、我々はこれまでに、HD 後のFe、NdH2 間の配向度がDR 後の異方性の度合いに影響することや、HD 後のFe とHDDR 前後のNd2Fe14B との間に特定の方位関係が存在することを示唆する結果を示してきた3,4)。今回、後者についてより詳細な方位関係が見出されたので報告する。