(J6-1149)工業用純チタン板の陽極酸化発色挙動に及ぼす表面研磨条件の影響Effect of surface polishing condition on the anodizing color behavior of commercially pure titanium sheet

摘要

チタンの発色方法として陽極酸化が有り，建材，マグカップ，装飾品等に広く適用されている1),2).陽極酸化ではチタンを陽極にし，その負荷電圧によって形成される酸化皮膜の厚さを制御し様々な干渉色が得られる．また，?チタンの結晶方位によって形成される酸化皮膜厚さが異なり，結晶粒によって干渉色が異なると報告されている3)．さらに，ダルロール圧延，ブラスト，酸洗，研磨などによって金属チタンの素地肌を調整し，陽極酸化後の色調や質感を変化できると報告されている1),4)．同じ酸化皮膜厚さであっても，表面の凹凸によって干渉作用をもたらす光路差が変化し，色調が変化すると考えられる．本報では，素地肌を調整する方法のなかで容易に表面調整が可能な研磨に着目し，研磨条件を変化させた工業用純チタン板を用いて陽極酸化後の色調変化の挙動を比較し，研磨による表面の凹凸とひずみ導入層（結晶粒の変形状態）の影響について検討した．