(P80-P0110) 生体内分解性Mg-Zn 合金の高強度化および分解性評価

摘要

狭窄により狭くなった血管などの管状器官を拡張し保持するための医療用デバイスはステントと呼ばれる.現在のステント材料には生体内で半永久的に残存するステンレス鋼などが用いられているため,患部の炎症等,様々な副作用を引き起こす原因となりえる.そこで,生体内分解性材料であるマグネシウムが注目されているものの,強度が低く,分解速度が速いという短所がある.これらの短所の改善方法として,固溶強化,および熱間押出加工による結晶粒微細化が挙げられる.そこで,本研究では,マグネシウムに生体必須元素である亜鉛を添加することで高強度化を図り,ステントの現行材料であるSUS316L および生体内分解性マグネシウム合金として注目を集めるWE43 合金以上の強度を有するMg-Zn 合金の創製を目的とする.また,擬似体液への浸漬試験を行い,創製したMg-Zn 合金の分解挙動を評価する.