(0076)Pt/Co/α-Cr_2O_3積層膜における垂直交換磁気異方性のα-Cr_2O_3層の結晶構造による検討

摘要

α-Cr_2O_3は酸化物反強磁性体であり，反強磁性を担うCr~(3+)スピンは，結晶内でc 軸方向に平行に配列する．すなわち，α-Cr_2O_3を(0001)配向させることで，反強磁性スピンを膜面垂直方向に配列させることが出来る．我々は，膜面垂直方向の反強磁性スピンを利用して，Pt/Co/α-Cr_2O_3(0001)積層膜において0.4 erg/cm~2 を超える高い垂直交換磁気異方性が発現することを報告し[Y. Shiratsuchi et al.,Appl. Phys. Express, 6, 123004 (2013).など]，また，垂直交換磁気異方性エネルギーがα-Cr_2O_3 (0001)層の結晶性（単結晶，双晶，繊維構造）によって変化することを見出している[武智雄一郎，白土 優他，日本金属学会2012 年秋季大会．]．