(J2-1227)スポンジチタン製造用鋼製容器表層部に生成するTi拡散層のFe溶出抑制効果Depression effect of Fe elution by Ti-diffused surface layer of steel vessel used for sponge titanium manufacturing

摘要

溶解工程で意図的に添加した場合を除くと、金属チタンへのFe混入は、TiCl_4を溶融Mgと反応させ金属チタン（スポンジチタン）に変換する「還元工程」において、鋼製容器から溶融Mg中に溶出したFeがスポンジチタンに吸収されることで生ずる。溶融Mg中へのFe溶出量は、使用回数とともに減少する傾向があることから、銅製容器内面表層部の状態及び実環境を模擬した実験を行い、2回目の使用容器内面には、表面に付着しているチタンの下に、TiFe、TiFe_2、Tiが拡散した鋼の3相が、この順に層状に生成しており、特に金属開化食物相である前2者は溶融Mg中へのFe溶出選が鋼に比べ格段に少なく、これら金属闇化合物相が溶融Mg中へのFe溶出を抑制している可能性があることを告しかし、実際の容器では、使用後に表面付着層は機械的に除去しており、脆弱な金属間化合物相も多くは除去されていると考えられる。すなわち、Tiが拡散·固溶することで達元反応時もフェライト相である鋼の層も、Fe溶出抑制効果を有している可能性がある。そこで、これを確認するため、Tiの鋼中への拡散挙動を解析するとともに類似組成の拭料を作製し、溶融Mg中へのFe溶出に及ぼす影響を調べた。