火星衛星探査計画（MMX）による近赤外ハイパースペクトルイメージング観測計画

摘要

Martian Moons Exploration（MMX）は、火星ならびにその衛星であるPhobos（フォボス）とDeimos（デイモス）の探査機として、開発がスタートした。同機はH-Ⅲロケットによって打ち上げられ、Phobosの準衛星軌道、Deimos フライバイなどからのリモートセンシング観測、さらにはPhobos からの岩石サンプルの採集と地球への運搬を予定している。MMX の主要な科学目的は、火星の衛星の起源の解明を通じて、太陽系内の揮発性物質さらには生命前駆物質の移動を調べることにある。このため岩石サンプリングに際しては、予め含水鉱物?有機物の分布や状態を知ることが必要であり、MMX にこれを可能とする近赤外分光装置を搭載することが不可欠である。