走査加熱を用いたアクティブ赤外線サーモグラフィ法によるコンクリートの剥離検査

摘要

コンクリート構造物の浮きや剥離などの経年劣化損傷が社会問題となっている．コンクリート構造物を維持管理する上で，浮きや剥離などの損傷を早期に発見し，第三者被害の発生が予想される箇所については剥落の防止を行うことが必要とされる．高所に存在するコンクリート高架橋では，橋梁点検車や高所作業車を用いての打音検査による近接点検作業を行うことが困難な箇所が存在する．また，コンクリート構造物の剥離を遠隔から検出できるパッシブ赤外線サーモグラフィ法があるが，日照の期待できない高架橋床版下面では損傷検出精度が悪くなることが予想される．そこで，本研究では，高所に位置する上下線分離のコンクリート高架橋の張出床版下面を対象として，ラインヒータを用いたアクティブ加熱後の温度分布を，ドローン等の無人航空機UAVに搭載するような小型赤外線サーモグラフィにより計測する赤外線サーモグラフィ法の適周性に関して項場実験を行った．