Ni基超合金鋳造材alloy246の低サイクル疲労における微小き裂進展挙動

摘要

Ni基超合金は耐熱性に優れ，航空機や過給機などのタービン翼に使用される．タービン翼は起動停止に伴って遠心力が生じ，それにより引張の繰返し負荷がかかり，低サイクル疲労が生じる．そのため，適切な寿命予測をするには，低サイクル疲労におけるき裂の発生および進展特性を明らかにすることが重要となる．また，タービン翼はその形状ゆえに、通常鋳造材が用いられる．その結晶粒径は大きく、異方性の影響が大きい．過去の研究より粗大粒Ni 合金ではき裂の発生および進展挙動に結晶粒の方位および変形の異方性が影響を及ぼしていた．したがって，適切な寿命予測をするには結晶粒がき裂の進展挙動に与える影響も重要となる．本研究ではNi 基超合金鋳造材Alloy246に対し，低サイクル疲労試験を行い，微小き裂の発生および進展挙動と結晶粒の及ぼす影響について検討することを目的とする．