新開発4輪インホイールモータ車の車両コンセプトとシステム構成について

摘要

フォードによるガソリン自動車の量産から100年を経た2009年，世界に先駆けて岡山の地で三菱自動車工業㈱により電気自動車の量産が開始された．この自動車の電動化の流れは自動車産業の構造変化を意味するものであり，県内の自動車関連の中小企業は危機感を持ち，その対応を迫られた．岡山県は，このような中小企業に対する施策として，最新の電気自動車の技術を吸収すべく，応募企業10社からなる「チーム岡山」を結成し，慶鷹義塾大学発のベンチャー企業である㈱SIM-Drive社の先行車開発事業に参加した．1年余にわたる㈱SIM-Drive社での活動を通して，岡山県と参加企業に次世代自動車に繋がる技術，製品を開発しようという機運が高まった．2011年4月に，岡山県は岡山県産業振興財団に委託して「おかやま次世代自動車技術研究開発プロジェクト」を3年計画でスタートさせた．本稿は，このプロジェクトで開発中の技術，製品とそれらを搭載した試作車について，概要を報告する．