ラット海馬培養神経回路網における電気活動パターンの周期性と安定性

摘要

自発性神経活動·誘発応答ともに，出現するクラスタ数は解析時間幅が長くなるにつれて増加する傾向がみられたが，出現率の高いクラスタに限ると，その個数は，およそ15個程度で安定しており，これらの少数のクラスタがその神経回路網固有の活用パターンであることが示唆された．また，誘発応答において，電流刺激直後100msの範囲には限られた活動パターンが再現よく繰り返し出現していることから，電流刺激に対して限定された特定の活動パターンが応答として発現している可能性が示唆された．更に，特徴ベクトル比較の結果から，神経細胞の培養日数に依存して出現する活動パターン·レパートリーが変化し，培養日数が長くなるにつれ各レパートリーにおいて類似の活動パターンが増加することが示唆された．