板材引張試験における変形抵抗と降伏関数の同定手法の検討―引張試験における負荷履歴測定の高精度化 第3報

摘要

成形シミュレーションで用いる変形抵抗は，単軸引張試験にょって求めた一様伸びまでの変形抵抗曲線をn乗硬化則などで数式表現し，一様伸び以降の塑性ひずみ域において外挿している．正確な成形シミュレーションを実施するためには，一樣伸び後の変形抵抗を求める必要がある．第1報では，切欠き付丸棒引張試験片を用いて，等方性の仮定のもとで金属バルク材の一樣伸び後の変形抵抗を最適化手法によって同定する手法を提案した．本報では，塑性異方性のある切欠き付き板材引張試験を同定対象とし，同定計算に塑性異方性降伏関数を導入することで，変形抵抗だけではなく，降伏関数についても同時に同定する手法を検討した．