ソリッドのコマから回転コマによる高真直化とうねり低減（回転型ブレード矯正機による極細線の高真直化 第6報）

摘要

近年，電子機器類の小型化·高性能化にともない，構成部品である細線の高真直化が望まれている．しかし棒線材の矯正研究は少なく，現状は未だ細線の厳しい高真直化の要請に対して十分対応できていない．その矯正方法として，ローラレべラー矯正，回転型ブレード矯正，温間引張り矯正などがある．筆者らは全周に矯正を与える回転型ブレード矯正に注目してきたが，回転型ブレード矯正では，真直度のみならず小さな間隔で発生する「うねり」が問題となっていた．筆者らは，線材にねじれを積極的に付与すると高真直でかつうねり高さの低減を見出した．しかし，従来のコマでは矯正後線材の表面に疵の発生が懸念されていた．そこで本報ではソリッドコマから回転コマへ置きかえ矯正後線材のうねりを低減し，かつ表面の疵を抑え，さらなる高真直化を目指した．