( P132-P0197) 江戸時代に製造された和釘の非金属介在物

摘要

たたら製鉄により製造された和釘は、鉄鉱石を原材料とする西洋釘と比較して耐食性が高く、これは折り返し鍛錬による不純物の低減や、表面に存在する過飽和酸素によることが明らかになっている１）、２）が、量産品として製造された和釘についてはまだ不明な点が多い。発表者らはこれまでに江戸時代に量産品として製造されたと考えられる2 種の和釘、計64 点を試料として、形状的特徴の調査、X 線透過像撮影、走査型電子顕微鏡（SEM）による断面観察を行い、大量生産された和釘の特徴や製造方法を検討した3）。本発表では、試料の観察により確認された非金属介在物の分布や組成に着目することで、量産品である和釘の原料や加工に関する基礎データの収集を行うことを目的とする。