(P83-P0239)電気化学測定による亜鉛粒子含有塗膜下腐食挙動

摘要

亜鉛粒子含有塗料により表面処理を施した鋼材は、耐食性に優れるものの経年劣化により腐食が進行すると、塗膜下で腐食が生じるため直接的に腐食劣化挙動を検出することが困難である。したがって、亜鉛などの導電性粒子を含有する塗料による塗装も、塗装後の腐食挙動や寿命予測が求められている。長期信頼性の観点から犠牲防食作用を有するジンクリッチペイントは作業性が良いという理由で、一般には有機質のジンクリッチペイントがよく用いられている。ジンクリッチペイントは、下地鉄鋼表面との密着性はもとより上塗り塗料との密着性も良好であるため、実用範囲の拡大が期待されているが、上述のとおり腐食挙動や寿命予測を行う必要がある。そこで、本研究では実用的研究や応用に関する研究などが多くなされているジンクリッチペイントの防食機構の知見は得る目的で、ジンクリッチペイントで塗装を施した純鉄板の腐食挙動を電気化学測定によって解析し、塗膜下で進行する腐食挙動を解明することを試みた。