(417-335)Ti 置換した非化学量論組成Fe2VAl 合金におけるp 型熱電性能向上メカニズムの解明

摘要

Fe2VAl 合金は、第四元素置換やV/Al 非化学量論組成により熱電性能が向上する[1]。特に、n型熱電性能を有するFe2V1+xAl1-x(x>0)をベースとして、V をTi で置換することによりホールドープしたFe2V1.08-xTixAl0.92 系では、従来の第四元素置換したp 型合金を上回る高い熱電性能を有することを報告した[2]。p 型熱電性能の向上は、非化学量論効果にともなう擬ギャップ電子構造の変化とホールドープによるフェルミ準位制御に起因すると考えられるが、そのメカニズムは未だ解明されていない。そこで、本研究では、最も高い性能を示したFe2V1.08-xTixAl0.92 について、詳細な結晶構造と電子構造評価を行うことで熱電性能向上メカニズムの解明を試みた。