(295-0341)熱酸化法を用いたTi-Au 合金表面へのTiO2 皮膜の作製および可視光応答型光触媒活性評価

摘要

Ti の酸化物であるチタニア（TiO2）は光触媒活性、すなわち光誘起有機物分解能および光誘起親水性、を示し、インプラント表面にTiO2 皮膜を付与することで、光照射による抗菌性の発現および骨適合性の向上が期待できる。TiO2 の光触媒活性向上には元素添加が有効であるが、貴金属元素であるAu は固溶Au のドープだけでなく、金属ナノ微粒子として担持された場合においても表面プラズモン共鳴（SPR）によりTiO2 の可視光応答性を向上させることが知られている[1]。当グループは過去に、熱酸化法を用いてTi-Au 合金上に作製したTiO2 皮膜について、基板から皮膜中へAu が導入され、可視光応答性が向上することを報告したが[2]、その可視光応答性と基板のAu 組成との関係性については未解明である。本研究は、大気酸化処理を用いてAu 組成の異なるTi-Au 合金上にTiO2 皮膜を作製し、基板のAu 組成が可視光応答性に与える影響を調査することを目的とした。