(J64-C0021)AuCuAl 生体用形状記憶合金の機械的性質に及ぼすCo 添加の影響

摘要

AuCuAl 形状記憶合金は，生体用として有害な元素を含まず，耐食性が良く，および，重元素である金を大量に含むためレントゲン造影性にも優れることから，我々は体内で使用されるステントなどに適した材料として提案し，開発を行っている．本材料は元々装飾材料であり，マルテンサイト変態温度は室温より高いため，生体用途として，特にその超弾性応用のためには，変態温度を体温近傍あるいはそれ以下に下げる必要がある．しかし，本３元系合金では，変態温度の低下に伴い機械的性質が劣化するため[1]，これまでに第４元素の添加による機械的性質の改善を目指している．Fig.1 は種々の第４元素を添加したAuCuAl 合金の室温における応力-ひずみ曲線である．このように，これまで，鉄添加で機械的性質が大きく向上することを見いだしている．本発表では，これまでの本合金の開発に関する現状を簡単にまとめた後，鉄と同様にCo添加においても機械的性質が改善することを見いだしたので，それについて報告する．