(J24-C0041)ニアβ型チタン合金の組織と力学的特性に及ぼす酸素·窒素添加の影響

摘要

酸素、窒素などの侵入型元素は、チタン及びチタン合金の製造時に不可避的に混入され、加工性や力学特性に大きな影響を及ぼす。酸素と窒素はα相及びβ相において固溶限が大きく強度の上昇に非常に有効であるため、低コスト汎用チタン合金開発の観点から侵入型不純物元素を積極的に利用する研究が活発に行われてきた。Ti-Al-Fe-O、Ti-Al-Cr-Fe-C 合金が例として挙げられる。一方、侵入型元素はβ型チタン合金のマルテンサイト変態にも大きな影響を与える。Ti-Nb 系合金に酸素を添加するとナノメートルサイズのドメイン（格子変調構造）を形成し、マルテンサイト変態を抑制し、様々な特異な力学特性が発現する。以上のように酸素、窒素などの侵入型元素がチタン合金の特性を大きく左右することが知られているが、十分理解されていないことが多い。本研究では、Ti-5Al-2Sn-2Zr-4Cr-4Mo 合金に酸素および窒素を添加し、内部組織と力学特性に及ぼす影響を調査した。