(S5·8-S012)Ti-Cr-V系合金の水素吸蔵放出サイクルによる結晶構造変化

摘要

BCC 系の水素吸蔵合金は，合金系としては有効水素量が多く，水素吸蔵?放出も容易であるため，燃料電池車用の水素貯蔵材料として期待されている[1]．ただし実用化に向けての課題も多く，さらなる高容量化，高耐久化，低コスト化などが必要である．これまでにBCC 系のTi-Cr-V 合金に関して，V 量が少なくなると水素吸蔵?放出サイクルによる有効水素量減少が大きくなることや[2]，V 量が少なくてもFe やNb を添加すると高耐久化すること[3]などが報告されている．今回この添加元素による高耐久化の要因解明のため，X 線および中性子回折を用いて，水素吸蔵放出サイクルによる結晶構造変化，特にNb 添加の効果について検討した．