医療用磁気アクチュエータ－カプセル内視鏡への搭載を例に

摘要

本稿では、カプセル内視鏡へ搭載するための磁気アクチュエータに焦点を当て、検査機能を付与するために筆者が提案している例を中心に述べる。具体的には、実際の内視鏡で行われている「細胞診ブラシで消化管表面を擦過し細胞を絡め取り回収する動作」を外部磁界によって行う2種類のアクチュエータである。1つは交流磁界で磁石を前後にスライドさせるタイプ（磁石可動型リニアアクチュエータ）で、もう1つは直流磁界で磁石を回転させ、ワイヤ等を介してブラシを駆動するタイプ（磁石回転型アクチュエータ）である。本稿ではこれら2つのアクチュエータの性能評価と生肉を使用したブラシの駆動実験の結果について述べる。また、磁界の印加方向を変更することで、両タイプともカプセル本体を回転させてブラシの位置合わせも可能であることを確認したので、併せて述べる。