生産システム計画·構築時のエネルギ側面を含む事前評価の研究

摘要

産業界において，改正省エネルギ法の施工により生産活動に伴う消費エネルギ量の定量的な評価とより一層の削減がますます重要となっている．また，東日本大震災による電力使用制限により，消費エネルギ量を考慮する工場管理が必要となっている．これらの課題を解決するために，産業界では生産システムの計画·構築·改善段階に，生産性と消費エネルギを同時に事前評価し，より省エネルギの工場を確実に設計し，運用することが望まれている．これまで，シミュレーションを利用する生産性の事前評価手法は提案され，利用されている．しかしながら，生産システムのエネルギ使用の評価については，事前評価手法が整備されておらず，事前の評価が難しかった．本報では，まず，生産性と消費エネルギの事前評価の要件を整理する．次いで，生産性と消費エネルギの事前評価のためのシミュレーション手法を提案し，手法を実現するシステムを開発する．最後に，半導体工場を対象とするケーススタディを実施し，提案手法の有効性を確認する．