複数モードの再生効果を同時抑制する不等ピッチ工具の新しい設計法

摘要

エンドミル加工における再生効果の新しい指標として，再生数を提案するとともに，共振周波数の異なる複数の振動モードが存在する際に，それらに対して同時に再生効果を打ち消す新しいピッチ角の設計手法を提案した．簡易法では，単純な計算式を用いることで，再生効果を完全に打ち消し得るピッチ角の組合せを求めることができる．ただし，関与する振動モードが多い場合には刃数を多くする必要があり，非現実的となり得る．一方，探索法では，再生数を用いて簡易法よりも少ない刃数で最も再生効果を抑制し得るピッチ角の組合せを探索して求める．提案手法により設計した不等ピッチ工具の安定限界を解析した結果，複数の振動モードが存在する場合に，等ピッチ工具や従来法に対して大幅に安定限界を向上し得ることを確認した．