運動エネルギーを利用するマイクロ電磁誘導発電デバイスの基礎検討

摘要

本研究では，身の回りに存在する小さなエネルギーを電気エネルギーに変換し，小さな電力で電子回路を動かすエネルギー·ハーベスティングを行うための小型のシステムとして，歩行による振動エネルギーを電気エネルギーに変換する小型システムを製作した．振動発電の原理として製作が容易な電磁誘導方式を採用した．人の歩行で起きる振動は1～2Hz とされている．そこで振動子として固有振動数が1～2Hz となるようなポリイミド(以下PI)による両持型の梁を製作した．スピンコーティングを用いてPI の薄膜を作り，ディープRIE(ボッシュプロセス)を使用して両持型の梁を製作した．この梁に30mg の磁石を取り付け，固有振動数を1Hz とした．また，コイルについては基板にアルミ及び銅を蒸着することにより形成した薄膜コイルを製作した．この2 つを組み合わせて加振機で振動を与え，0.16nVA の発電が確認された．