インチワーム型５自由度アクチュエータの変位量の検証

摘要

近年、人の手が届かない狭所での作業や精密な作業が必要とされるようとなり、様々な環境で作業することができるアクチュエータが必要とされている。顕微鏡内でマイクロメートル以下の微小動作が可能な圧電素子を用いたアクチュエータが提案されている。アクチュエータの微細な動作を位置決めに利用するためには、水平面内の並進動作と回転動作だけでなく、鉛直方向など水平面外への多自由度の動作が求められている。筆者らは、積層型圧電素子を用いた、小型加工用ステージとして利用可能な自走式アクチュエータについて検討してきた。従来のアクチュエータはインチワームの原理による３自由度の自走動作とパラレルメカニズムの原理による６自由度微動が可能であった。しかし、移動平面に対する傾き変位は数十μrad と微小であった。このため、この機構を拡張した５自由度アクチュエータが提案された。このアクチュエータはステージを搭載することで、インチワームの原理を用いた水平面外への動作が可能である。半球状ステージを搭載することで、従来のアクチュエータでは微小であった水平面外への動作が拡張される。本稿では、アクチュエータに搭載した平面状ステージの変位量について述べる。