End-of-Lifeシナリオに基づいたリサイクル性評価に関する研究

摘要

持続可能な社会の実現に向け，製造業における資源生産性向上が重要な課題となっている．この問題に対応するために，設計段階において製品のリサイクル性を向上させることが広く行われている．設計段階において製品のリサイクル性を評価する指標の一つとして，リサイクル可能な構成素材の重量割合を表す「リサイクル可能率」がある[2][3]．しかし，従来の計算方法では，リサイクルが可能と設計者が判断した部品の総重量の割合としてリサイクル可能率が算出されており，リサイクル工程において実際にリサイクルされる素材の重量割合よりも高くなる傾向にある．すなわち，実際のリサイクル率は，リサイクルプロセスの種類やリサイクルを行う地域の技術レベル等によっても異なり，リサイクル可能な全ての素材がリサイクルされるわけではない．そこで本研究では，設計段階においてより正確なリサイクル可能率を算定するために， プロセスやリサイクル技術を考慮した製品のEnd-Of-Life(EOL)シナリオを記述し，このシナリオに基づいて製品のリサイクル可能率を算定する手法を提案する．