宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、地球観測衛星データが多くの分野で一般的かつ効果的に利用されるようになることを目指し、研究や利用推進活動を行ってきた。近年では、学問領域横断的な研究から新たな衛星データ利用分野を探る活動を行っており、その一つとして、国境を超える広域の問題である公衆衛生分野への貢献に関する検討を行っている。公衆衛生分野の検討は、JAXAも参加している地球観測に関する政府間会合(GEO: Group on Earth Observation)が推進する、全球地球観測システム(GEOSS:Global Earth Observation System of Systems)10年実施計画における9つの社会利益分野の中でも生命に関わる極めて重要とされる4分野(農業、災害、エネルギー、健康)の1つである。ここでは、近年の公衆衛生分野への衛星データ利用の取組みについて総括する。
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