中炭素鋼のプラズマ窒化挙動に及ぼす添加元素の影響

摘要

窒化とは、500-550°CにおいてAl，Cr，V等の窒化物生成元素を含む鉄鋼材料の表面から窒素を浸透·拡散させることにより、試料表面付近に生成する微細合金窒化物やクラスターの析出強化を活用した表面硬化法の一種である。最近フェライト合金の窒化において、窒化物生成元素を単独添加するよりも複数の元素を添加することで窒化物の析出が促進·微細化され、大きな表面硬化が得られることが明らかとなっている。実用的な中炭素窒化鋼では、窒化物生成元素が複合添加されていることから、炭素含有鋼においても元素複合添加の影響を理解することは重要であるが、詳細はほとhど分かっていない。そこで本研究では、Fe-0.35mass%C合金に対して種々の窒化物生成元素を単独または複合添加してプラズマ窒化を施し、表面硬化及び3次元アトムプローブを用いた窒化物分布の解析を行うことで、中炭素鋼の窒化挙動における元素添加の影響について明らかにすることを目的とする。