新N－クエンチ法による鋼の表面硬化

摘要

そこで，それらの問題を解決するためにN－クエンチ法という処理に着目した．この処理は鋼のFe-N系オーステナイト状態で窒素を浸入·拡散させた後に焼入れを行うため，浸炭焼入れより低ひずみで，C0_2を排出しないため温室効果ガスの削減にもなる．また，窒化処理よりも処理温度が高いため処理時間は短く，鋼種を限定しないので安価な鋼種でも大幅に硬化する．しかし，現在行われているN－クエンチ処理はアンモニアガスを窒素源として用いたものが主である．そこで本研究では，窒素プラズマを用いた「プラズマN－クエンチ処理」を試みた．それにより，地球環境への負荷がより少ないN－クエンチ処理法の確立を目的とする．