金属間化合物を強化相とするFe-20Cr-30Ni-2Nb系オーステナイト系耐熱鋼の1073Kにおけるクリープ

摘要

我々は700°C級A-USC発電プラントの実現に向け，2種類の金属間化合物（TCP相，GCP相）を強化相とする新たなオーステナイト系耐熱鋼Fe-20Cr-30Ni-2Nb（at.％）を設計した．この鋼はA-USCのボイラー管に要求される特性（700°C，10~5hクリープ破断強度100MPa以上）を満足するクリープ破断強度を有し，この優れた特性はFe_2Nb-εLaves 相（TCP相）による粒界析出強化に起因することを見出した．本研究では，この強化機構の800°C級発電プラント（FA-USC）への適用を視野に，本鋼をLaves相のみが析出する800°Cにてクリープ試験を行い，粒界Laves相の効果を調べた．