TiAlフルラメラ単結晶のSEM内曲げ試験によるき裂伝播のその場観察

摘要

TiAl基合金は軽量且つ優れた高温強度を有し，新型ジェットエンジンへの搭載が決まった新たな耐熱材料である．この材料の優れた強度は高温相α－Ti（hcp）相からγ－TiAl（L1_0）相がBlackburnの方位関係(0001)_α//{111}_γ，＜1120＞_α//＜110］_γをもって析出して形成されるラメラ組織にある．ところが，比較的低温側では，ラメラ界面に沿ったき裂の進展が容易に生じるため靭性に乏しい．しかし，ラメラ組織中にはα_2/γ界面の他，双晶，擬双晶，バリアントの3種類のγ/γ界面が存在し，ラメラ方位によってもき裂の発生及び伝播は変化する．そこで，本研究では，き裂の進展が直接観察可能なSEM内三点曲げ治具を新たに開発し，TiAlフルラメラ単結晶を用いてき裂のその場観察を試みた．