金属多孔質体極低温冷却システムの多孔質体材料·サブクール度を考慮した伝熱相関式の修正

摘要

核融合原型炉や商用炉の大型超伝導マグネットの先進設計案として分割して製造したコイルを着脱可能とする分割型高温超伝導マグネットが提案されている。本コンセプトでは接合部の局所ジュール発熱が課題であり，これに対して金属多孔質体を用いた冷却システムの適用が提案されている。橋爪らは，液体窒素とブロンズ粒子焼結多孔質体を用いた実験を行い，強制対流·核沸騰熱伝達と核沸騰限界点（DNB点）についての伝熱相関式を構築し、実際の核融合炉マグネットでの候補となる温度域20～30Kの冷媒（液体ネオン，液体水素）による除熱性能の予測を行った。しかしながら，相関式の構築時にサブクール度の影響が考慮されておらず，多孔質材料もブロンズのみであった。そこで本研究では，多孔質材料として銅を追加し，サブクール度を考慮した相関式の検討を行った。