低温固相反応原料を用いた Ga 添加 Y123 溶融凝固バルクの J_c-B 特性

摘要

REBa_2Cu_3O_y （RE123）溶融凝固バルクは高磁場下でも高い末を示すことから、強力な超伝導磁石として様々な応用が期待されている。冷凍機技術の発達により強力超伝導磁石としての応用の多くは液体窒素温度以下で運転することを想定しているが、これまでの研究では主に77 k においてJ_c の最適化が行われてきた。77 K で最も良い特性を示す条件が、低温でも最も良い特性を示すとは限らないことは既にわかっていることから[1]、RE123 バルクの用途拡大や機能向上には、20～60 K の温度域でのJ_c の改善が必要である。そこで本研究では低温で高い捕捉磁場特性を有する小型超伝導バルクの開発を目的とし、磁場中でのJ_c の改善に有効であることをこれまでに示してきた、Ga や Sr の微量添加［2］による Y123 溶融凝固バルクのさらなるJ_c の向上を目指した。