炭化水素混合燃料の消炎特性に関する研究 炭化水素混合燃料の消炎特性に関する研究

摘要

現在の内燃機関技術には，エネルギー資源枯渇などの問題から低公害な代替燃料の利用と高効率な燃焼技術の開発が求められている．高効率な燃焼手法とし例えば希薄燃焼があるが，一方で燃焼速度の低下や失火が問題となっている．これら燃焼技術の問題を燃料性状の改善で解決する研究がなされている．燃料のもつ燃焼特性のうち消炎特性は燃料の高温酸化反応を体現した現象であるため，反応機構·燃焼モデルの構築および検証のための重要な基礎データとなる．さらに消炎特性は出力，燃費，排気ガス特性などのエンジン性能に大きな影響を及ぼすことから，その向上のためには消炎·着火特性の把握が求められる．本研究では対向流バーナを用いて，非一様流場（温度勾配，濃度勾配の存在する流れ場）での，各種炭化水素の消炎実験を行い，実用燃料の拡散火炎での消炎特性を調べた．さらに本研究では予混合火炎の着火·消炎特性を調べる新たな試みとして副室を有する定容燃焼器を用いて，副室式点火時の燃焼特性を調べた．