ライトアセット生産を実現するクラウドマニュファクチャリング

摘要

グローバルに拡大したインターネットと低コストセンサの普及を背景に，多様なデバイス，機器，システムを繫げたオープンなデジタル世界を形成し，第四次産業革命を目ざす動きが欧米で活発化している.ドイツでは政府主導でIndustrie4.0[1],アメリカではGE，AT&T，CISCO，IBM，Intelが発起人となって主導するIndustrial Intemet[2]，日本ではSociety5.0[3]のように，先進国が産学官連携でモノ作りへのInternet of Things (IoT)活用による成長戦略を描き推進している.企業の収益性をROA (Return On Asset:総資産利益率）で見たとき，日本はアメリカ，ドイツと比較して低水準であり，特に中小企業のROAが低い傾向にある[4].ドイツでは，全輸出額に占める中小企業の割合が日本に比べて高く，中小企業の生産資源を有効活用して，ドイツ経済を支えているといえる[5].日本においては従来，大手企業の各事業所において，夫々が製品の需要予測を行い，設備投資を行ってきたが，昨今，製品のライフサイクルは短期化し，景気変動サイクルも不安定であるため，増産対応の設備投資に対して投資回収ができない恐れが生じている.また，急激な需要増加に対しては生産能力が不足し受注機会を損失するといったリスクが益々高まっている.