べッド上に置いたシート型センサによる睡眠時の生体信号モニタリング

摘要

我が国には近年，運動不足や高齢化が理由で肥満や高血圧の人が増え，それに伴い睡眠時無呼吸症候群や虚血性心疾患の患者人数が増えている.例えば睡眠時無呼吸症候群は，患者が寝ているときに呼吸が弱くなったり停止する病気である.この症候群の患者は低酸素症になりやすく，それが原因で癌になる確率が高くなることが知られており，日本呼吸器学会によると我が国の約200万人が罹患していると推定されている.一方，虚血性心疾患は，冠動脈が動脈硬化等で狭くなったり、血管がけいれhを起こしたりすることで、心臓へ十分に血液が行き渡らなくなる疾患である.狭心症や心筋梗塞がその代表例で，心臓が虚血状態となり、胸痛等の症状として現れる.厚生労働省の統計調査によると年間約19万人が虚血性心疾患で死亡しており，国内の死因別死亡数全体の15.5%を占めていると報告されている.特に睡眠時に心筋梗塞が生じると発見が遅れて死に至ることがある.以上の理由から睡眠時の生体信号(バイタルサイン)のモニタリングが必要である.