電気自動車のモータ効率を考慮した四輪独立駆動力配分による電費改善システム

摘要

近年，自動車から排出される二酸化炭素（CO_2）および窒素酸化物(MO_2）による環境問題や地球温暖化は深刻な問題である．2014年度の日本国内の二酸化炭素排出量を部門別にみると，自動車を含めた運輸部門が全体の約2割を占めている．したがって，自動車によって発生する二酸化炭素を減らすことは環境問題に対して重要な課題である．日米欧の先進国を中心にガソリンや軽油などの化石燃料の消費量の少ない，または化石燃料を使わないエコカーへの切り替えが進みつつある．その中でも電気自動車はモータを駆動源とするため，従来の内燃機関を有する自動車に対して4つの利点がある．その4つとは，トルクの応答が速いこと，トルクの検出が容易なこと，回生によるエネルギー回収が可能なこと，動力源の配置の自由度が高いことである．これらの優位点は車両の姿勢制御において非常に有効である．