複素非整数次モーメントを用いた不規則パルスと白色雑音の混合入力を受ける非線形系の解析

摘要

航行中の船舶や粗い路面を走る自動車，地震動を受ける建物など，現実の構造物では非線形な挙動を示す系に再現性のない不規則な励振が加わる，という例を多く見ることができる．そのような構造物の応答を議論するには，確率論的に議論を進めていく必要がある．そのため，不規則励振を受ける非線形系の応答の確率密度関数を得ることが，工学的に重要な問題となっている．特に，構造物の信頼性や安全性を議論するにあたっては，大きい応答値の発生確率，つまり確率密度関数の裾の部分を正確に得ることが必要である．