コンクリート柱埋設部状態把握のための内面観測からのアプローチ

摘要

配電設備の高経年化が進み、コンクリート柱においても 劣化状態を把握する必要性が増しており、電力各社におい て劣化状態把握に向けた取り組みが進められている(1), (2)。コ ンクリート柱の長期的な使用を念頭に置いた場合、健全性 確保の観点から地上部と同様に埋設部の状態把握は重要で ある。しかしながら、コンクリート柱地上部については多 数の診断手法が提案されているものの、埋設部診断手法は 現状では限られている(3)。一方、工業用内視鏡カメラなど画 像撮影技術の進展により、コンクリート柱の中空内面の撮 影が可能になりつつある。内面撮影により埋設部のひび割 れが観測でき、さらに内面ひび割れがコンクリート柱の耐 久性に与える影響を曲げ強度試験などで把握することがで きれば、内面観測は将来、低コストで簡便な埋設部診断手 法になると考えられる。本報告では、コンクリート柱埋設 部の劣化状態把握に向け、内面観測からのアプローチとし て、(i) 立設時の埋設部内面観測手法、および(ii) 曲げ強度 試験時の内面観測手法を提案し、観測を試みる(4)。