異種合金による傾斜機能ポーラスアルミニウムの機械的性質と気孔形態

摘要

多孔質（ポーラス）アルミニウムは超軽量で衝撃吸収特性，断熱特性，吸音特性，防振特性等に優れた多機能な素材である（1）．また，合金の種類や気孔形態によって機械的性質が異なることも知られている．　著書らは摩擦捜幹接合（Friction Stir Welding , FSW）を利用してポーラスアルミニウムの作製を試みている．本手法ではFSWを利用するため安価な板材からポーラスアルミニウムの作製が可能となる．また，様々な種類のアルミニウム合金を組み合わせることで一つのポーラスアルミニウム内に複数の特性を持たせることが可能と考えられる．例えば，純アルミニウムのような耐食性に優れる一方で低強度である合金とAl－Mg－Si合金のような構造用材として幅広く使用され調質を行うことで高強度である合金を組み合わせる事で，強度の違いから変形の制御が可能になると予想される．このような素材は，自動車のバンパーやボンネット，クラッシュボックス等に適用することで対人事故では低強度部により歩行者の保護，対物事故では高強度部により搭乗者の保護が可能になると期待される．