歯科修復用コンポジットレジンの機械的性質に及ぼす重合照射時間および浸漬期間の影響

摘要

現在，歯科臨床において光重合型コンポジットレジン（以下CR）が広く使用されている．光重合型CR は光強度や光照射時間など重合条件が硬化後の硬さに影響を及ぼすことが報告されている．CRの信頼性を保証し安全に使用するためには，光重合過程や使用時の圧縮強度を評価しそれらのメカニズムを反映したモデル化が重要である．また口腔内環境を模した浸漬試験も行われているが，浸漬期間が短く，長期的な浸漬試験を行いその変化を定期的に測定していくことも必要である．そこで本研究では，光重合時の照射時間を変えることにより重合収縮や重合度に差を生じさせ，静的圧縮試験から機械的性質に及ぼす影響とそのメカニズムを検討する．また口腔内環境による影響を調査するため，水中浸漬試験を行い，吸水や膨張などが機械的性質におよぼす影響とそのメカニズムを検討する．