ステレオ計測を用いた地理情報の高頻度更新に関する基礎研究

摘要

遠距離計測が可能なセンサとしてレーザレンジセンサと画像センサを挙げられる．遠距離において，画像センサを利用する位置計測は，レーザを使用する位置計測に比べて計測精度が低い．しかし，レーザによる位置計測方法では1点以上の物体を対象に計測を行うことができないことや，計測距離が長くなるにつれてターゲットに照射するエネルギーが増大し，特に面的な計測が困難になるという問題がある．さらに，空中の係留気球には移動や振動が常に発生するためレーザセンサを使用することは実質的に不可能である．一方，画像センサを用いた受動的計測方法は，画像に写った範囲なら同時に複数の対象物の計測ができる．さらに現在，画像センサを用いた計測システムが安価に実現可能であるといった状況にある．以上の理由から，係留気球には画像センサとして市販ディジタルカメラを搭載した遠距離高精度計測を実験した．つまり，本研究の目的は，ディジタルカメラを搭載した係留気球による建築物の計測の実現である．