連続的な働きかけによる協調移動手法の提案: ロボットから人への意図伝達度に着目した人状態推定技術

摘要

自律移動ロボットが，人混みのように人が多く存在する環境で人と安全，安心に活動するためには，人の動きや環境状況に配慮し，人に対して協調的な移動を行う必要がある．そのためには，従来から提案されている回避や停止といった「人に対する受動的な行動」だけでなく，ロボットの行動を通じてロボット自身の行動意図を人に伝達すること，すなわち，声掛けや軽い接触などの「能動的に人に働きかける機能」が必要だと考えられる. 筆者らはこれまでに，人共存環境で起こるさまざまな状況を切り出し，必要な能動的働きかけに基づく行動制御を整理した．さらに，ロボットの移動効率と人の心理面に配慮した協調移動のフレームワークを提案し，実機を用いた実験からその有用性を評価した．