血圧測定を目的とした人体固定用ソフトグリッパの開発 第3報：機構の改良と測定精度に関する基礎実験

摘要

近年，我が国は超高齢化社会を迎えている．高齢者の受療率が高い傷病として，外来では高血圧性疾患が挙げられている［1］．高血圧は，日頃から自身によるヘルスケアを行うことで予防できる．しかし，ヘルスケアのひとつである血圧測定の際に使用するカフは，上腕に巻き付けるベルトとなっており，自身で巻付ける事が，高齢者には困難となる場合がある．また，高齢者や女性は小さい腕径をもつ人や，一部の国では非常に大きい腕径をもつ人もおり，腕の太さや形状は一様ではない．これまでに上記の問題解決のため，能動的に巻き付き動作および開放動作が可能な血圧計用カフを提案してきた［2］．本稿では，下記の2項目について報告する．1.巻き付き動作用アクチュエータ部の改良；2.クチュエータ部の改良による，多様な腕径への対応および測定精度への影響に関する基礎実験．