自動車運搬船内清掃ロボットの導入

摘要

社会の少子高齢化の進展やサービス経済化の流れに沿って，消費者の生活分野，医療福祉分野，産業分野などの幅広い活動を支援するロボットへの期待が高まっている．この中で，当面大きな市場ニーズを有する1つとして，清掃を行うロボットが挙げられる．工場や発電所のような場所は，粉塵など環境面でも負担が大きく，人件費も必要とされることから自動化への要求は高い．今回，我々は自動車運搬船内の清掃作業を自動で行う清掃ロボットを開発し，三菱重工業㈱神戸造船所に導入した．本稿では，自動車運搬船の環境について述べ，その環境下で要求される仕様に基づき開発した清掃ロボットについて述べる．尚，本ロボットは，(独)新エネルギー·産業技術総合開発機構(NEDO)の「実用化ロボットプロジェクト」にて開発し，愛知万博会場にて実証試験を行った屋外清掃ロボットRS1 をベースとしている．また、NEDO の「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」にて開発した知能モジュール及び「生活支援ロボット実用化プロジェクト」にて開発した安全技術も適用している．