医療用ガイドワイヤの模擬血管におけるトルク伝達性と回転追従性

摘要

現在，狭心症や心筋梗塞などにカテーテル治療が広く用いられている．そこに用いられるガイドワイヤはカテーテルを治療箇所へ誘導させる重要な役割を担っている．そのため，ガイドワイヤの力学特性を把握することは重要である．しかし，実際の生体内でガイドワイヤの力学的特性を把握することは難しく，血管を摘出して実験を行ったとしても，血管の個体差，入手性，感染症などの危険性などが考えられ，容易ではない．そこで本研究ではガイドワイヤの開発支援や医師の手技向上のためのシミュレータ開発の基礎データを提供することを目的とし，PVA Hydrogel を用いた模擬血管を開発，模擬血管内屈曲部におけるガイドワイヤのトルク伝達性及び回転追従性について検討を行ってきた．本報告では，模擬血管の閉塞部を想定した状態で測定，PVA の種類·PVA 濃度に関して検討し，有限要素法を用いたガイドワイヤにかかる圧縮力とあわせて考察した結果を述べる．