車輪·レールのパラメータ変更が接触幾何に与える影響

摘要

鉄道における車輪·レール間の接触幾何は，鉄道車両の走行安定性と曲線通過性能，騒音，車輪及び軌道における摩耗とメンテナンスなどをはじめ，様々な影響を及ぼす．車輪·レール間の接触幾何は，車輪の形状，レールの形状，及びそれぞれの相対関係からなすものであり，バックゲージ，スラックなどをはじめ，多くのパラメータとして定義されている．一方，これらのパラメータは経年の利用により変化し，摩耗または軌道不整などとして現れる．これらパラメータの変化が鉄道車両の走行安定性と曲線通過性能などに与える影響を把握することは重要である．また，近年においては鉄道サービスの利用形態が変化し，異なる系統の車両が相互乗り入れを行うことにより運輸サービス拡大を実現するなど，従来からの範疇を書き換える形態が出現しており，異なる車輪踏面形状をもつ車輪が同じレールを走行する状態も多くなるため，その影響を車輪·レール間の接触幾何の観点から評価検討することが求められている．