乱流燃焼場における速度3 成分と複数化学種蛍光の時系列同時面計測

摘要

乱流燃焼は，乱流と火炎（燃焼反応）が非常に相互に干渉する非常に複雑な現象である．多くの実用燃焼器で乱流燃焼が用いられているにもかかわらず，数値的にも，実験的にも取り扱いが困難であることから，その詳細は明らかにされていない．乱流燃焼場を実験的に明らかにするには，乱流と火炎を同時に測定することが必要となる．非燃焼乱流の計測と同様，乱流燃焼においても速度計測には粒子画像流速計(PIV)が頻繁に用いられている．乱流燃焼では火炎構造も計測する必要があり，これには平面レーザ誘起蛍光法(PLIF)が有効である．燃焼場ではOH，CH，CH_2O 等の燃焼過程で生じる中間生成物のPLIF が用いられる．最も良く用いられる化学種はOH であり，これは既燃ガスにおいて高い濃度を示す．OH ラジカルでは火炎位置が多少曖昧になることから，火炎面において鋭いピークを示すCH ラジカルもPLIF 計測に頻繁に用いられる．ただし，CH ラジカルの蛍光は微弱なため計測は難しい．