風レンズ風車における翼車と風レンズ体の連成設計

摘要

風力発電は，地球温暖化の原因となるCO_2 を排出しないクリーンで再生可能なエネルギー源の利用法として全世界で普及が進hでいる．しかしながら風力発電は十分な風速がないと効果的な発電ができないという問題点をもち欧米諸国と比較して日本ではあまり普及していない．この問題点を克服するため，翼車まわりに風を局所的に集中させる機能をもつ「風レンズ」（集風体）を装着した「風レンズ風車」が九州大学において独自に開発された．近年では風レンズ風車の大型化に向け，風レンズの軸方向長さを短くしたコンパクトタイプ風レンズが開発され実証試験が行われている．風車翼に関しては，風レンズ風車の簡易理論と軸対称子午面粘性流れ解析を用いた準三次元空力設計法が構築され，翼の開発が進められてきた．本研究では，翼に加え，風レンズ体形状も設計できる連成設計法を構築し，遺伝的アルゴリズムを用いて翼車のスパン方向翼負荷分布および，風レンズ体形状を設計変数として最適化を施すことで，風レンズ風車における各設計変数が風レンズ風車の空力性能へ及ぼす影響について調査した．なお，性能評価には三次元RANS 解析を用いた．