摩擦斜面による免震装置の相対変位低減に関する研究（垂直方向においての低減）

摘要

日本では年間2000回を超える有感地震（震度1以上）が発生しており多くの被害が出ている．免震構造とは，構造物もしくは構造物内に設置される機器類·美術品を，地震動もしくは他の外乱より絶縁する機構を設ける構造である．しかし，様々な免震構造に共通する欠点として，地震時に構造物と地盤との間に大きな相対変位が生じてしまうため，地震時に他の構造物と衝突しないために，ある程度の距離を確保しなければならない．本研究の目的は，摩擦斜面と圧縮ばねを用いて水平方向の応答加速度及び相対変位を低減し，鉛直方向に対しても圧縮ばねを用いて水平方向の応答加速度を入力加速度に対して1/5程度に低減，鉛直方向の応答加速度を入力加速度に対して現状では1/2程度に低減しているが，1/3程度に低減することを目標とした免震装置を開発することである．また，装置の固有振動数を地震波との共振を避けることが出来ると考えられる0.25[Hz]にする．振動実験と解析結果との比較検討を行い,免震性能を評価する．