促進耐候性試験時の雨を想定した水噴霧がSBRの劣化に与える影響（2）: カーボンブラック配合SBR

摘要

地球環境の悪化は、時として高分子材料の寿命を短くするなど予期せぬトラブルを引き起こす。特に、屋外で使用される場合、様々な環境にさらされ、複数の因子による複合劣化を招く。中でも光·熱·水による耐*性は「耐候性」と定義され、材料の評価·選定において非常に重要である。中でも促進耐候性試験は、太陽光を擬似した人工光源により劣化を促進させられることから、短時間で評価可能な手法であり、迅速性が求められる材料開発や寿命評価などに用いられる試験である。高分子材料の中でも、ゴムは特に耐水性に優れた材料であるが、我々は、純ゴム配合スチレンブタジエンゴム（SBR）を用いて促進耐候性試験を行った結果、雨を想定した水噴霧がゴム表面の劣化を促進させるだけでなく、内部まで劣化を進行させることを報告している。本研究では、SBRに実用配合されているカーボンブラック（CB）を配合した試料を用いて劣化評価を行った。